夢という足かせ

事務所が赤坂に移転し、新鮮な気持ちで仕事に打ち込む事ができ、結構な事です。

今回の事務所には私達（私と社長）の他に数名の方たちがいらっしゃり、平均年齢50歳中盤のおじさんたちが元気におしゃべりに花を咲かせております。これまた活気のある事務所で結構なことです。

あと数週間もして、うっとうしく思う様にならない事を祈りたいですが・・・

そんな事務所に出入りしている方達の一人、年齢は50歳代くらいで、肩書は造形師らしいのですが、造形師ではほとんど生活ができずにいるらしいのです。
たしかに、その人を見ていると、口が達者な訳でもなく、どこか職人肌でつぶしがきかない、そんな様子の方です。なんとなくお金がない理由も読み取れます。

電車にのるお金もなく、自宅のある原宿から赤坂まで、徒歩できたり、食事すらできなかったりしているらしいのです（さらに聞き耳たてて）
結婚をしており、妻と息子がいるらしのですが、息子にはほとんど口を聞いてもらえないそうです。どこまで生活が厳しいのか、さすがにそれ以上突っ込んだ話は聞いたことはないのですが、それだけでも、さすがに切なさを感じてしまいます。

しかし私にも、イラストを中心に、幅の広いデザインをやっていきたいというささいな夢がございます。
なので、その人の考えが分からない事もありません。

ただ、私の場合、家族とその家族の生活を、自分の夢の犠牲にはしたくはありません。

夢というのは、実現できるまでは、そこまで行くための活力を与えてくれます、しかしいつまでも実現のできない夢は逆に自分自身を縛ってしまうものなのかも知れないと思ってしまう今日この頃・・・・